睡眠の謎

　それなりに飲んで帰宅後、といっても20時半ごろには家についていたけれど、ねむくてねむくてすぐふとんにイン。が、風がとてもつよい。ボロアパートはぎしぎしと音をたてて揺れていた。風が吹くたびに隙間風もびゅう。うるさいしなんだか不安で、ねむいのに寝られない。あきらめていったん起き上がり、本来やるべきだったこまごまを片付け、ホットミルクを飲んでもういちどふとんにイン。しかし相変わらずあちこちぎしぎし言いながら揺れている我が家。鉄筋の家に住みたーい！最近のつよい願い。

　ねむいのに寝られないのはけっこうきつい。ねられないときには、無理に寝ようとせず、リラックスする体勢で横になっているだけで6割くらいは回復する、とどこかで読んだことがあったので、たまにおとずれるそういうときには、手足をぶらーんとして寝たふりをすることにしている。

　寝たふりを始めて数時間、ぜーんぜん寝られないまま、いつまでも風はつよく、なんと外が明るくなってきた。えー、こんなにしつこく寝られないの初めて！寝ることをあきらめた朝六時すぎ、昼間教えてもらったYouTubeをぼんやり眺める。もうすぐ七時か、、と思ったのを最後に、気づいたら寝ていた。七時半にアラームが鳴り、なんかもうどうしようもない気持ちで起床。どうせなら最後まで寝られなくてもよかったじゃない。どうしてそこで寝るのだ！眠れないときに寝るのってほんとうむずかしい。最後の三十分だけあっという間だったけど、長い長い夜だった。

　しかしいま夜になってもそこまで寝不足感がないのは、やっぱり寝たふりの効果なのでしょうか。だとしたら寝られないことに焦る必要もないなあ、しあわせにはなれないけど。眠っているときのあのなんとも言えない幸福感はなんなのだろう。人間ってよくできている。