まいにちウクレレ

うたとウクレレ、コンサーティーナ moqmoqオカザキエミ うたいます うたいます

写真でふりかえる数日 3

翌2日は、おなじみ野毛、坂の途中のロック酒場borderline。このフレーズとても気に入っている。あしのなかゆびの古くからの曲に「坂の途中で」というのがあって(ペダルみや氏作)、まさにこのあたりのことをうたったうたです。野毛界隈はわたしも学生時代からずっとすきな地域。なにせ野毛山動物園があるし、にぎわい座もあるし、たのしい飲み屋たくさんある。野毛坂オプティクスもある。音楽通りに動物園通り。そもそも歩いているだけでなんだかたのしい。
縁あって定期的に出演させてもらっているborderline、その縁をつないでくれたのは実は一穂くんだった。2011年のあたまにアイルランドに一ヶ月行って、そのためにそれまでの仕事をやめたり、戻ったらすぐ引っ越すつもりでいろんなことを整理して出かけたのだけれど、帰ってみたらすぐに震災があって、宙ぶらりんだったわたしは世の中からはじき出されたみたいになっていた。ぼうぜんとしていた3月のある日に、一穂くんから連絡があった。borderlineの遠藤コージさんが、故郷のためにチャリティセッションをやるから、おいでよと。遠藤さんには、遠藤さんが横浜のthumbs upにいたころ、ブッキングでお世話になっていた。そのころわたしたちはまだくすりゆびだったり、HAREMだったりした。それでその遠藤さんがこの遠藤さんだと知らずに行ったから、会ってみたら知っているひとでとてもびっくりした。
あの日はいろんなミュージシャンが集まっていて、それぞれが思いを抱えながら、おもいおもいの演奏をした。寒いけれど、あたたかい気分の夜だった。余震が続いていて、まだ人恋しい頃だったし。この日をきっかけに、borderlineに出演させてもらうようになったのだった。

前置きが長くなりました。ほんとうは、対バンがコンドウヒロユキさんという方だったのだけれど、体調不良で来られなくなったと前日のイベント中に連絡があって、一穂くんにきてよーとお願いしたらいいよーと言ってくれた。そんなわけで急遽一穂くん2デイズ。コンドウヒロユキさん、お会いできず残念でした。とここに書いてもあれでしょうけど、お大事にー。
例によってセッションしようということになり、一穂くんの選んだ曲が「おなじ話」と「みんな夢の中」。どちらもうろ覚えだったのだけれど、すごく良い曲。わあわあと練習していたら檸檬葉たなか氏が登場。コンドウヒロユキくんと仲良しらしく、彼のお休みをしらずあそびにきてくれ、まんまと一穂くんに巻き込まれる。そういえば前日の下北沢には檸檬葉の相方フミちゃんが来てくれていた。コンプリート!しかも檸檬葉のふたりとわたしはおなじ学校卒。とくにフミちゃんは学年も一緒なので、ぜったい構内ですれちがっていただろう。そんなひとたちに卒業して10年近く経ってからこうして出会う不思議。



チェックシャツズ

ひとりでいるうちに、こうやって突然合わせられるような親切な曲をつくりたい。という願い。


一穂くんもわたしも、前日とはがらりとちがうセットで。一穂くんは「病気になりそうな弦」が張ってあったというエレキで演奏。そういえばうちのギターも病気になりそうな弦かも。
わたしは新曲「分身」をやったけれど、まだまだたどたどしい。にゃー!(ねこがでます)

セッションあらためデュエットの「おなじ話」がいい曲すぎて、練習しながら泣きそうになってしまったけれど、本番は淡々とやった。それがいちばんとおもった。すると目の前のお客さんが泣いていた。曲のちからがすごい。

なんだかいい夜だったなあ。とまたおもう。


壁には、絵本作家の方が描いたライブペインティング。しっくり馴染んでいました。

ありがとうborderline!次回登場は4月6日です。つづく