まいにちウクレレ

うたとウクレレ、コンサーティーナ moqmoqオカザキエミ うたいます うたいます

百花繚乱

 夜になると肌寒いけれど、春もどんどんすすんでゆく。いつも通る道に若い街路樹があって、冬だったから枝しかなくて、これハナミズキかなー、どうなのかなー、とおもいながらの数ヶ月、急にばばーんと咲いた。ハナミズキだった。ついこの間できた古着屋がもうつぶれていた。そういえば駅前にずーっとあった百貨店がなくなってしまうらしい。これからこどもたちはどこで制服をつくるのだ。きっと景色がものすごくかわる。
 花の名前を覚える作業は一生終わらない、とおもっている。もう地道にいっこいっこ忘れないように覚えるのみ。忘れないのはすごく苦手だ。いつも見る花壇に生えている芽が、植えた種ののびたのなのか雑草なのかわからない。毎日毎日眺めているけれど、なかなかこう、ぐぐっとは来ない。きっとこういうのは、急にくるのだ。たしか。薔薇のドライフラワーはどんどんかっこよくなる。それでふと、家の玄関で乾かしていたチューリップを見たら、もう全然チューリップには見えなくて、でもとてもきれいで、花の一生はいろいろなのだなあ、とかんがえる。ひらひらかわいてもまだきれい。

 数日前から、妊娠していた友人の陣痛が始まって、どうやら60時間ちかくふんばって、やっとうまれたらしかった。ちょうど数週間前にばったり会って、おなかにむかって話しかけたばかりだったから、なにができるわけでもないけれどずっと、かたすみではらはらしていた。コンビニの前で、わたしの姿をみつけるやいなや、さわってさわってー!と突進してきたふたりをおもいだす。こまかいことがまだわからないのだけれど、とにかくうまれてきてくれてよかった。こどもをうむってすごいエネルギーだ。ちかごろ妊婦によく会う。ただ会うだけで感動してしまう。なにもかもが神秘。