まいにちウクレレ

うたとウクレレ、コンサーティーナ moqmoqオカザキエミ うたいます うたいます

自立心

 先日ひさしぶりに家にすんごいでっかいあれが出た。前の家はよく出る家だったけれど、2年ぶりくらいにどーんと登場して、おえー。でもさすがにもはや鍛えられているのと、ちゃんと倒して、倒した後にいかに見ずにどこかへ行ってもらうかをさんざん考えたあとなので、道具もそろっていて、位置もよくて、なんだか粛々とやりきった。残酷。あれにのみ発揮されるこの残酷さはなんだろうと、いつもおもう。
 あれが出るたびに、ここはわたしの家なのだ、ともおもう。実家にいたら100%、たとえ歳がいくつになっても、おかーあさーーん!って言っておわりだ。あれをばしっと倒す母はすごい、と昔からおもっていたけれど、ほかに誰もやってくれないから母はやるのだ。あれが出ると、かならず、自分の自立心のようなものをささやかに確認する。なんだそれー。

 それにしても道具をそろえるっていうのは重要なことだなあ。それだけでうまくことがすすむ、こともある。

かと思えば、クマさん(75歳)は、 おれは手で捕まえちゃうけどな、そんでこう、紙につつんでさ、とこともなげに言う。つ、つよい。あんなすばやいもんどうやってつかまえるんだよーう。と言ったら、へんに構えなければいけるような気がする、とつぶやくひとがいる。そうかしら。わたしあれを普通の虫だとどうしてもおもえない。
とかなんとか言っていた数日後、ライブ後の開け放たれたお店にやつが飛び入ってきた。ふわりと飛んで壁にとまったやつを、60代男性がひょいっと手で捕まえて外へ出した。ほんとだ、ぜんぜんやすばやくない。と、それまでの経緯があったので妙に感心してしまった。夏だなあ。今日は夢みたいにすずしいけれど。