三畳間ミュージックはじめます

　三畳の部屋へのあこがれが長いことある。
　20代の頃、よく古い建物が保存されている場所に散歩にでかけていたのだけど、日本の古い建物には三畳の部屋があることが多い。奥さんの針仕事や、下宿のひとを泊めたりする、生活の補助的な場所だったらしいのだけれど、なんど見ても、その三畳というスペースがとても魅力的におもえた。家具を置くには狭いけれど、人間と空間の絶妙なバランス。なにかを考えたりぼんやりするときに心地よい広さ。奄美に行ったとき、奄美竪琴の盛島さんのアジトを訪ね、あちこちを案内してもらっていたとき、寝室が「自慢の三畳！」というせりふで紹介されて、それだけで盛島さんのことをいっきにすきになってしまったものだった。

　とかなんとか三畳へのあこがれをつのらせていた矢先、地元でお世話になっているコーヒー屋さんが移転した建物の中に、まさかの三畳和室があったのでした。移転して一年とちょっと、ここでなにかできないかなーとずっと考えていたのだけど、日々変わっていく弾き語りを保存していきたいという気持ちとあわさって、この三畳間で定点観測的な録音をさせてもらうことにしました。

　どういうフォーマットになるかはもうちょっと考え中。そういえば家にVHSに録れるMTRあったなあとか、考えだしたらいろいろになっているけれど、毎月数曲ずつ、同じ場所で収められた曲たちをおひろめしたいと思います。スタジオで、バンド編成で録るものとは別のラインが作れたらなあと想像しているところ。詳細を待て！

　写真は現在の三畳間。この広さをわかるように写真に撮るにはどうしたらいいのかわからないー。