まいにちウクレレ

うたとウクレレ、コンサーティーナ moqmoqオカザキエミ うたいます うたいます

ビバノンノン

 寒いのはまったくきらいじゃない、というかむしろすきだ。でも寒さを感じないわけではない。近頃の冷え込みにボロアパートはぐんぐん馴染み、室温3℃。寒いことじたいは平気なので、暖房はこたつだけで満足しているのだけれど、しいて言えば家中の油のたぐいが固まり、なにかと暮らしにくい。だけでなく、いつのまにか自分が風邪をひき、のどもがさがさ、これはもはやだいじょうぶとも言えなくなってきた。

 たぶんいちばんの問題は風呂。バランス釜にはしんどいこの気温。今の家に越してからは冬場もシャワーでしのいできたのだけれど、風呂上がりにがたがた震えている自分にふと疑問を感じ、おもいきって湯船にお湯を張った。ひとりしか入らないのにもったいないし、お湯ためるのに時間かかって待ちきれないし、そのくせすぐ冷めるし、そうじもめんどくさいし、なによりせまくて体育座りレベルの浴槽。しかし、いざお湯張って入ってみると、天国!!天国です!!!あーお風呂があってよかったとこころからおもった。何度もかみしめた。たとえ体育座りだって湯船はさいこうである。冬のあいだはお湯を張ることにしよう。湯上がりだって全然寒くない。お湯につかるだけでこんなにしあわせになれるなんて!ってほんとうは知っていたけど、なんだかどうももったいない気がするのだった。

 またお湯を張るためには、このしあわせな気持ちをわすれてはいけない。ひとりぐらしとはつまり、めんどくささとのたたかいである。だれかがいればそのひとのためにできること、めんどくさくてもやらざるをえないことっていうのはたくさんある。自分のためにめんどくさいことをやるのって、ものすごくむずかしいと知った。自分の一存でめんどくさいことはしなくていいかわりに、しあわせを享受できない。というじつにシンプルな構図。だからこのしあわせな気持ちをわすれてはいけない。毎日浴槽をこすって、40分お湯が溜まるのを待ち、しあわせに健康になるのだ。うへー、今すでにめんどくさい。