時間
全然鍛えられていない声で、おぼつかないようですんなりした指づかいで、うたうその姿がとてもすばらしくて、胸がいっぱい。
たぶんそのうたをいちばん聴いていたのは、わたしが中学生くらいのころで、すきだったりきらいだったりしながら、J-POPをたくさん聴いていた時期だった。とおもう。あのころとおんなじ歌詞なのに、全然ちがって聴こえる。そこに時間がのっかって、そのひとの人生がのっかって、特別なきもちものっかって。
まえにoriginal loveのライブを観たときに、接吻という曲が、もう他とは圧倒的に別格で、ことばにならないやつだった。それは明らかに、鍛えられてきたうた。ほんとうにすばらしくて、とにかくうたい続けたいとおもったものだった。
今日のやつをみたら、鍛えることがすべてじゃないかもしれないけれど、でもとにかく、こころから吐き出したうたをうたいつづけてゆくことが、わたしのしたいことかな、とおもった。どんなふうにかわってゆくのか、そのかたちをみてみたい。