まいにちウクレレ

うたとウクレレ、コンサーティーナ moqmoqオカザキエミ うたいます うたいます

ジュースとフライドエッグ

 こころにぽっかり穴があいたようになって数日。かなしいことがあったって、ほうっておいたら時間はどんどん過ぎる。日々たのしい瞬間はあるし、演奏していれば夢中だし、大笑いしたり、余計なことを言ってみたりもするし、どんどんたのしい予定も舞い込んでくる。ほんとうにありがたいことばかりだ。
 40いくつか年上のみんなの話を毎日のように聞いている。とてもおもしろい。今みんながおしみなく元気だけれど、折にふれて、もう先長くないから、とかなんとか、悲しそうでもなくぽつりと人生のことをもちだす。ほんとうは誰のもとにだって、いつ死がおとずれるかわからない。でも人間の寿命からいって、みんなのほうが死のちかくにいることはわかる。みんながそれを身近に感じていることも。だからというわけではないけれど、できるだけみんなのそばにいたいなって思っている。他愛もない時間を、すこしずつ近くで分け合いたい。そしてできるだけみんなに元気でいてほしいと願う。
 みんなといるときにいつもこころの片隅で、アイルランドにいるそのひとのことを思い出していた。アイルランドはとても遠くて、別れ際にまた会えるよね、と言ったそのひとに、もちろん、と答えながら、その気持ちに嘘はまったくなかったけれど、その日はとても先になるかもしれない、とおもったことをおもいだす。一緒に過ごしたのはたった数日だったのに、そのひとのことばやしぐさをたくさん覚えている。波のない海のことも。どうしてもおわかれとお礼を言いに、いかなくちゃ。